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冷凍されたカニを解凍する正しい方法を紹介!解凍時間の目安や注意点を解説

ズワイガニ

カニは、たんぱく質豊富で脂質が少なめの食材です。 そのため、高級食材としてだけではなく、健康食材としても注目されています。また、亜鉛や水溶性ビタミンのナイアシンが含まれており、美容効果も期待できます。さらに、脂肪分解の効果が期待できるアスタキサンチンも多く含んでダイエットにもつながります。
そんなカニですが、生の状態ではあまり見かけません。鮮度が落ちやすく、冷凍処理を行うためです。しかし、解凍方法を間違えると身がぼそぼそしてしまったり、風味が落ちたりします。
そこで本記事では、冷凍カニの解凍方法について解説します。解凍の注意点について知りたい方は参考にしてください。

カニを解凍する4つの正しい方法

下準備して冷凍したカニの足

一口に冷凍カニといっても、生から冷凍したものとボイルして冷凍したものでは解凍方法が異なります。 生のカニは解凍時間が長くなると品質が落ちやすく、ボイルしたカニは急速な解凍でパサつきやすくなります。 この章では、カニの解凍方法を紹介します。

【生の場合】流水をつかう

冷凍された生のカニは、流水で解凍するのが一般的です。
  • ・冷凍のカニをポリ袋などに入れる
  • ・水の入った容器に袋のままつける
  • ・水道水を流しながら解凍

 

この方法は、ほかの方法に比べて時間が短く、30分ほどでできます。

【生の場合】氷水をつかう

氷水で解凍する方法は、流水解凍よりも鮮度を保てます。
  • ・冷凍カニをポリ袋などに入れる
  • ・氷水の入った容器に袋のままひたす
  • ・ときどき袋にたまった水を抜くなどして様子をみる

 

3時間ほどで解凍が完了します。

【ボイルの場合】冷蔵庫をつかう

ボイルしたカニは、冷蔵庫のなかで時間をかけて解凍します。
  • ・カニが乾燥しないようキッチンペーパーなどで包む
  • ・解凍の際に出る水分で庫内が汚れないようバットなどに載せる
  • ・容器ごとポリ袋などに入れることで乾燥防止になる

 

6~12時間で半解凍。完全解凍にはその2倍の時間がかかります。

涼しい場所で自然解凍

冷蔵庫をつかった解凍を紹介しましたが、カニはサイズが大きいため庫内にスペースがとれないこともあるでしょう。 その場合は、直射日光の当たらない涼しい場所での自然解凍をおすすめします。
その際は、発泡スチロールなどからは出しましょう。発泡スチロールに入れたままでは、カニに匂いがつく原因になります。また、室温はカニにとって温度が高すぎるので、自然解凍するときはこまめにチェックしましょう。

【種類別】カニを解凍する時間の目安

下準備して冷凍したズワイカニの足

カニの解凍では、種類ごとに目安となる解凍時間があります。 この章ではそれぞれの解凍時間について詳しく解説します。

タラバガニ

タラバガニ

タラバガニはそのままの形で冷蔵庫解凍すると、24~36時間ほどかかります。 メスはオスよりも小さめですが、卵を抱いている関係で、解凍には24時間以上かけたほうがよいでしょう。
また、ボイルのタラバガニは、基本的に内臓処理がしてあり、みそは入っていません。カットした状態のものは解凍が速く、18時間ほどで食べられます。

ズワイガニ

ズワイガニ

ズワイガニの解凍時間は部位によって異なります。 具体的には胴部分はおよそ20時間前後、脚部分は12時間前後です。個体差はありますが、甲羅付きはみそが入っているため冷蔵庫解凍で36時間ほどかかることがあります。

毛ガニ

毛ガニ

毛ガニは厚みがあるため、解凍にはおよそ24~36時間かかります。 多くはボイルなので、時間をかけて解凍すればおいしく食べられます。おすすめは、冷蔵庫内での解凍です。

カニを解凍する際の5つの注意点

解凍中のズワイガニの足

カニは、間違った方法で解凍すると味や鮮度が落ちます。 特に、急激な温度変化は旨味を損ないます。高級食材であるカニをおいしく食べるために、いくつかのポイントを押さえておきましょう。この章では解凍する際の注意点について詳しく解説します。

常温解凍や急速解凍をしない

冷凍のカニは高温で解凍すると、 旨味が水分と一緒に溶けだしてしまいます。 カニにとって室温でさえ高すぎるため、常温解凍や急速解凍は避けましょう。低温解凍でも旨味は溶けだしますが、再び身にしみ込むので大丈夫です。

再冷凍しない

冷凍のカニは、業務用の機械をつかって急速冷凍しています。細胞を破壊することなく、おいしい状態を保ちます。 しかし、家庭用の冷凍庫では急速冷凍は難しいので、一度解凍したカニを再度冷凍すると品質は落ちます。 解凍したら、すぐ調理するなどして保存するのがよいでしょう。

凍ったまま料理(加熱)しない

カニを凍った状態のままで調理するのは避けましょう。溶ける際に旨味が流れて、エキスを失い淡泊な味になってしまいます。 半解凍の状態であれば、旨味を逃がさず調理できます。 焼きガニにする場合は、まず完全に解凍するのがおすすめです。

電子レンジは使用しない

カニを解凍するときは、電子レンジの使用は避けましょう。 旨味が水分とともに溶けだしてしまうからです。 電子レンジで解凍するのは、カニを冷凍のままゆでたり蒸したりするのと同じです。身がパサパサして食感が悪くなってしまいます。

8割くらいの半解凍がよい

カニの解凍状態は、8割くらいの半解凍が理想です。表面に付いた氷が手で落とせるくらいが目安です。端のほうからとけるので、脚から食べるのがおすすめです。
生のカニは完全解凍すると色が黒く変わります。 この現象はカニのタンパク質が酸化することで起こります。変色しても味や品質に問題はありませんが、見た目がよくないので避けたいところです。

【保存期間】冷凍されたカニは日持ちする

冷凍ズワイガニ爪のアップ

カニは冷凍状態と解凍状態で保存期間が異なります。 冷凍でも、家庭用冷凍庫と業務用冷凍庫では異なります。 解凍すると劣化が進行するので早めに食べきらねばなりません。そこでこの章では、カニの状態ごとの保存期間について詳しく解説します。

冷凍された状態

冷凍された状態のカニの賞味期限はおよそ1か月です。ここでいう冷凍された状態とは、家庭用冷凍庫に保管している場合を指します。家庭用冷凍庫はマイナス16度前後で、頻繁に開閉することも考えると保存環境としては不十分です。そのため、家庭で保管する場合は1か月以内に食べるようにしましょう。

業務用冷凍庫で冷凍された状態

家庭用冷凍庫の賞味期限はおよそ1か月ですが、業務用冷凍庫で保存すれば約1年間もちます。 業務用冷凍庫はマイナス35度前後で急速冷凍し、鮮度を維持します。とはいえ、業務用冷凍庫を持っている家庭はごく珍しいので、一般的な賞味期限は1か月と考えましょう。

解凍後は早めに食べる

カニの解凍後の賞味期限は、2日前後といわれています。 ただし、みその部分は身よりも傷みやすいので、解凍して置いておくのは避けたほうがよいです。食べきれる量だけ解凍しましょう。

解凍した後のカニの殻は再利用できる!2つの方法を紹介

ズワイガニのポーション

カニを食べたあとは殻が残ります。そのまま捨てる方がほとんどかと思いますが、実は殻は有効活用できます。 カニの殻には多くの旨味が詰まっているため出汁(だし)や肥料として利用できます。 そこでこの章では、殻の利用方法について詳しく解説します。

出汁を取る

カニの殻には旨味が詰まっています。カニの殻を利用する代表的な方法は、出汁にすることです。殻を細かく切って水と昆布などと一緒に煮込めば、簡単にカニエキス入りの出汁が取れます。塩を振って焼きを入れておけば、カニの風味がいっそうひき立ちます。
取った出汁は味噌汁や雑炊、ラーメンスープなど幅広く活用できます。なお、カニの出汁は冷蔵庫に保存して、2日前後を目安につかい切りましょう。

肥料にする

カニの殻には「キチン質」や「アスタキサンチン」が含まれています。 キチン質は、病害の原因となる菌を壊す性質を持っています。アスタキサンチンは、色素の一種で花や葉の色を良くする効果があります。つまり、カニの殻は万能の肥料となり得ます。
肥料にする場合は、まず天日干しで水分を抜き、できるだけ細かく砕いて土のなかに入れます。実はホームセンターなどでも肥料用としてカニの殻が販売されています。カニを食べたあと、そのまま肥料として利用できるので、家庭菜園やガーデニングを趣味にしている方にとっては一石二鳥といえるでしょう。

カニを正しく解凍しておいしく食べよう!

ズワイガニ

冷凍カニは、生を冷凍したかボイルを冷凍したかで解凍方法が異なります。生のカニであれば水などで素早く解凍、ボイルしたカニであれば時間をかけて解凍する方法が適しています。 冷凍カニは旨味が水分とともに溶けだしやすいので、解凍時の温度に注意が必要です。 賞味期限は家庭用冷凍庫での保存だと1か月程度です。解凍後は2日以内に食べきりましょう。
これからの時期はお歳暮の贈答品としてもらう機会が増えます。せっかく頂いた高級食材を無駄にしないためにも、冷凍カニをよく知りましょう。

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