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ひな祭り(桃の節句)にまつわる伝統的な食べ物・お菓子7選!由来や歴史を解説

手まり寿司

ひな祭りの日には、ひな人形を飾ったりちらし寿司やひなあられ、ひし餅などを食べたりして、お祝いをする家庭も多いのではないでしょうか。 ひな祭りは平安時代に中国から伝わった行事のひとつで、元々は貴族や武家のみが行っていましたが、江戸時代からは一般家庭にも広まりました。
なぜ、ひな祭りにはちら寿司やひなあられ、ひし餅が食べられるようになったのでしょうか。今回の記事では、ひな祭りの伝統的な食べ物やお菓子の由来や意味、材料などについて解説します。また、ひな祭りの由来や、ひな人形の飾り方についても紹介します。ひな祭りに用意する食べ物を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
※記事の内容は記事公開時点のものです。

ひな祭り(桃の節句)とは?由来・意味を解説

ひな人形

ひな祭りは、平安時代に日本に伝わった中国の行事です。 この章では、ひな祭りの由来や意味などを詳しく解説します。ひな祭りについて深く知りたい方は、ぜひご覧ください。

ひな祭りの由来

ひな祭りの由来は、中国から伝わった「五節句」のひとつである「上巳(じょうし)の節句」です。季節の節目の「句」は邪気が入りやすいと考えられ、古代中国では上巳の節句は「忌日(いみび)」とされていました。
上巳の節句の日には川で身を清める習慣があり、それが平安時代に日本に伝わりました。日本では 紙や土で作られた人形を川に流す「流しびな」として広まり、さらに「ひいな遊び(貴族のおままごと)」が組み合わさり、現在のひな祭りになったとされています。
ひな祭りは「桃の節句」ともいい、これは中国で上巳の節句の日に桃の花で作られたお酒や桃の葉を入れたお風呂で厄払いをしていたためです。

ひな祭りの歴史

中国から日本へひな祭りが広まった平安時代の頃は、紙や土で作った人形にけがれを移し、川に流して邪気を払うという行事でした。その後、人形を作る技術が発展し、立派なものが作られるようになったことから、川に流すものから飾って楽しむものに変化しました。
現在のようにひな人形を段飾りして祝うようになったのは、江戸時代に入ってからです。 当時は貴族や武家のみの行事でしたが、明治時代以降は一般家庭でもひな人形を飾って楽しむようになりました。

ひな祭りにまつわる食べ物・お菓子7選

ちらし寿司

ひな祭りにまつわる食べ物といえば、ひなあられやひし餅、ちらし寿司などです。 なぜこれらの食べ物がひな祭りに食べられるのか、由来や意味などを解説します。材料も紹介するので、ひな祭りにまつわる食べ物を用意したい人は、準備をするときの参考にしてみてください。

ひなあられ

ひなあられ

江戸時代に「ひなの国見せ」というひな人形を外に持ち出してさまざまなものを見せる風習があり、その際に一緒にひなあられを持参して食べていたことがひなあられの由来だといわれています。
ひなあられは、ひし餅を砕いて作られたといわれているため、緑と白、ピンクのものが多いです。 それぞれ色にちなんで「木の芽」「雪」「生命」を意味し、3色に黄色を加えた4色のひなあられもあり、その場合は「四季」を表すとされています。
ひなあられの味や形は、地域によって違います。関東は米粒状で甘みがあり、関西は丸い形をして塩やしょうゆで味付けされていることが多いです。

ひし餅

菱餅

古代中国では上巳の節句にハハコグサを入れた餅を食べる習慣があり、それがひし餅の由来といわれています。 ひし餅は緑と白、ピンクの餅が重なった食べ物で、それぞれ意味があります。緑には「木々の芽吹き」や「健康」「寿命」という意味が、白は「雪」「清浄」「純潔」、ピンクは「生命」「魔除け」です。
緑の餅にはよもぎを、白にはひしの実、ピンクにはくちなしを原材料のもち米と混ぜて作ります。ひな祭りにひし餅を食べることは、自然のエネルギーを取込んだり、女の子の健康や子孫繁栄を願ったりする意味があるといわれています。

ちらし寿司

ちらし寿司

ひな祭りの日には、ちらし寿司を食べてお祝いをする家庭が多いです。これは 平安時代の「なれ寿司」がもとになっていると考えられていますが、明確な由来はわかっていません。
家庭によって具は異なりますが、縁起物としてよくちらし寿司に入っている食材はこちらです。

  • れんこん…先を見通せるようになる
  • 豆…マメに働ける、マメになる
  • エビ…長寿

そのほかにもさまざまな具材が入っていることから、「生涯、食べ物に困らないように」という願いもちらし寿司には込められています。見た目も華やかなので、お子さまの好きな食材も取入れながら、ひな祭りに食べてみてください。

白酒・甘酒

甘酒

白酒には「不老長寿」や「厄除け」といった意味があります。 昔、桃の花をお酒に漬けた「桃花酒」を飲む習慣があったことが由来で、江戸時代の頃から桃花酒の代わりに白酒が飲まれるようになったといわれています。
白酒は焼酎もしくはみりんに麹ともち米を入れて作るお酒なので、お子さまには甘酒がおすすめです。
ひな祭りの時期になるとスーパーに甘酒が多く並びますが、お米と米麹があれば自宅で作ることもできます。完成まで1日はかかるので、時間がある方はぜひ試してみてください。

桜餅

桜餅

ひな祭りのお祝いに桜餅を食べる家庭がありますが、実は特に意味や由来があるわけではありません。 桜餅は、ひな祭りに限らず食べられていた食べ物です。ピンクと緑の色合いがひな祭りに合っていることや、5月5日の子どもの日にかしわ餅を食べる習慣があることなどから、桃の節句のお祝いとして食べられるようになったといわれています。
桜餅は、関東と関西で種類が異なります。関東は「長命寺(小麦粉で作った生地を折って餡を挟んだもの)」、関西は「道明寺(もち米で作った生地で餡をくるんだもの)」が一般的です。関東の桜餅は家庭でも作りやすいので、ぜひ試してみてください。

はまぐりのお吸い物

はまぐりのお吸い物

はまぐりのお吸い物は、ひな祭りだけではなく結婚式でも縁起物としてよく食べられている料理です。はまぐりは同じ個体の貝殻以外ではぴったりと合わないため、良縁や夫婦和合の象徴とされています。そのため 「素敵な相手と結ばれますように」の願いを込め、ひな祭りに食べられています。
はまぐりのお吸い物は、ちらし寿司や手まり寿司ともよく合うので、一緒に食卓に並ぶことが多いです。地方によって作り方はさまざまですが、まりや花のかわいらしい麩や三つ葉、菜の花などとあわせてお吸い物を作ってみてください。包丁をつかわなくても作れるので、小さなお子さまと一緒に作ってみるのもよいでしょう。

手まり寿司

手まり寿司

手まり寿司は、京寿司とも呼ばれており、舞妓さんが食べるときに口紅がつかないようにひと口サイズにしたお寿司です。 桜餅と同じようにひな祭りに限らず食べられている料理ですが、見た目が華やかなことや小さいお子さまでも食べやすいことから、桃の節句のお祝いとして食べられるようになりました。
作り方は酢飯と好きな具材をラップで包んで丸めるだけと、とてもかんたんです。ただ丸めるだけではなく、その上にハムやチーズ、刺身を乗せるなどアレンジもしやすく、作る過程もお子さまと一緒に楽しめるでしょう。

ひな人形の飾り方!食べ物と一緒に準備しておこう

雛人形

もともとは、紙や土で作られた人形を川に流し邪気を払っていましたが、人形作りの技術が発展したことから、飾って楽しむものに変化しました。ひな人形は段飾りになっていて段数の増減が可能ですが、五段や七段など奇数段にするのが一般的です。
ひな人形は、結婚式を表しています。最上段には、内裏びなの男びなと女びなを飾り、一番上の段に飾ることで地位の高さを表します。向かって左側に男びなを飾りますが、京ひなの場合は逆になるので注意しましょう。二段目には三人官女を並べ、お祝いの白酒を供しています。
三段目には五人囃子を並べ、太鼓や笛などで結婚式を盛り上げます。左から、鳴り物の大きな順に並べましょう。四段目には随臣(右大臣と左大臣)を置き、男びなと女びなを守る役割があります。
五段目は仕丁と呼ばれる無償で働く庶民が並べられ、それぞれ表情が異なるのは「表情豊かに育つように」という願いが込められているためです。六段目には化粧道具やたんす、火鉢など婚礼道具が、七段目には高貴な人が乗る乗り物である御輿入れ道具を並べます。
最近は、男びなと女びなだけが飾られた「親王飾り」と呼ばれるひな飾りが人気です。 自宅のスペースも考慮しながら、それぞれの家庭にあったひな人形を用意しましょう。

ひな祭りに向けて伝統的な食べ物を準備しよう!

手まり寿司

ひな祭りは、中国から伝わった川で身を清める習慣が時代の流れとともに発展し、ひな人形を飾ってお祝いをする現在の形になりました。ひな飾りは結婚式を表し段飾りになっていますが、最近では男びなと女びなのみの「親王飾り」が人気です。
また、ひな祭りの日には、ひなあられやひし餅、ちらし寿司など伝統料理を食べ、お子さまの健康や子孫繁栄を願います。 伝統的な食べ物やお菓子を用意し、ひな祭りを楽しみましょう。

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