葉酸が多く含まれる食べ物は?葉酸が豊富なおすすめレシピもご紹介
葉酸とは、体の発育にとって大切な栄養素のひとつで、特に妊娠を計画している女性や妊婦の人は摂取が推奨されています。
葉酸が豊富に含まれている食材をご存じでしょうか。
今回の記事では、葉酸の基礎知識や含有量の多い食材、効率よく摂取できるレシピなどを解説します。記事を参考にしながら、葉酸を意識して摂取してみましょう。
※記事の内容は記事公開時点のものです。
葉酸が豊富な食べ物を摂ろう
葉酸は、ビタミンの一種です。
葉酸とはどのような栄養素なのか、概要や推奨されている摂取量などを解説します。どのような効果があるのか理解し、葉酸が豊富な食べ物を積極的に摂取しましょう。
葉酸とは?
葉酸とは、プテロイルモノグルタミン酸やその派生物の総称で、ビタミンB群に属する水溶性のビタミンです。ビタミンB12と赤血球を作るはたらきがあることから、造血のビタミンとも呼ばれています。
DNAやRNAなどの核酸・タンパク質の合成を促し、細胞の生産・再生を助けるはたらきがあるので、体の発育に必要な栄養素のひとつです。
特に胎児の発育に大切な栄養素なので、妊娠を計画しているもしくは出産をひかえている女性は積極的に摂取しましょう。
葉酸は1日にどれくらい必要?
葉酸の推奨摂取量は、性別にかかわらず18歳以上の場合は240㎍/日とされています。
妊娠を予定している・出産をひかえている女性は、胎児の神経管閉鎖障害が発症するリスクをおさえるため追加で240㎍/日の摂取が推奨されています。
また、葉酸には通常の食事以外での耐容上限量が設定されています。
- 18~29歳:900㎍/日
- 30~64歳:1,000㎍/日
- 65歳以上:900㎍/日
食事以外にサプリメントからも葉酸を摂取する場合は、摂取量の上限に気をつけましょう。
葉酸が不足・摂りすぎるとどうなる?
基本的に、通常の食事をしていれば葉酸が不足する可能性は低いです。しかし、
栄養バランスの悪い食事を摂り、葉酸が不足した状態が続くと、巨赤芽球性貧血や神経障害、腸機能障害などを引き起こす可能性があります。
妊婦の人の場合、葉酸が不足すると胎児の成長に影響をおよぼし、神経管閉鎖障害や無脳症のリスクが高まるので注意が必要です。
逆にサプリメントなどで葉酸を摂りすぎると、亜鉛の吸収障害やビタミンB12不足による神経障害の発見が遅くなるといったリスクがあります。通常の食事だけで過剰摂取する可能性は低いですが、サプリメントや健康食品などを使用している人は注意しましょう。
葉酸の含有量が多い食材一覧
肉類や魚介類、野菜類などに葉酸は多く含まれています。
この章では、葉酸の含有量が多い食材を解説します。食材を摂取するときのポイントや注意点もわかる内容になっているので、葉酸を意識して摂りたい人は参考にしてみてください。
肉類
葉酸は、肉類に多く含まれています。牛肉(脂身つき・焼き)の場合、含有量は100gあたり50㎍です。肉類は体をつくるはたらきがあるタンパク質を多く含み、欠かせない栄養素のひとつです。
また、
肉類のなかでも、特にレバーには葉酸が多く含まれています。
100gあたりの含有量は、こちらです。
- 牛:1,000㎍
- 豚:840㎍
- 鶏:1,300㎍
レバーには、葉酸以外にビタミンAが多く含まれています。妊婦がビタミンAを摂りすぎると、胎児の奇形発生リスクが高くなるとされているので、食べすぎには注意してください。
魚介類
魚介類ではうなぎの肝やうに、すじこなどに葉酸が多く含まれます。
- うなぎの肝:380㎍(100gあたり、以下同じ)
- うに(生):360㎍
- すじこ:160㎍
- イクラ:100㎍
うなぎの肝は葉酸の含有量が多いですが、通常の食事で100g摂取することは難しいです。基本的には40g程度が通常の摂取量といわれているので、葉酸は180㎍程度になります。
野菜類
野菜類で葉酸の含有量が多いのは、ブロッコリーやほうれん草、芽キャベツなどです。
- ブロッコリー:450㎍(100gあたり、以下同じ)
- 芽キャベツ(ゆで):220㎍
- ほうれん草(ゆで):110㎍
野菜はビタミンやミネラルの含有量が多く、特に色の濃い葉物野菜には葉酸がたくさん含まれています。
芽キャベツの場合、重みがあるため7個程度で100gになります。7個食べるだけで葉酸が多く摂取でき、さらにビタミンCや食物繊維、ビタミンB群などが豊富に含まれているので、妊婦の人にもおすすめの野菜です。葉酸は水に溶けやすく熱に弱いため、野菜をスープに入れたり電子レンジで加熱したりして食べるのがおすすめです。
穀類
穀物のキヌアやパン、玄米などの穀類にも、葉酸が多く含まれています。
- キヌア:190㎍(100gあたり、以下同じ)
- ベーグル:47㎍
- ロールパン:38㎍
- 玄米:27㎍
キヌアとはビタミンB群や亜鉛、鉄分が豊富な穀物です。白米と一緒に炊いたり、スープやサラダにトッピングにしたりと、普段の食事にかんたんに取り入れられます。
健康的な体を維持するためには、米やパンなど主食をしっかりと摂ることが大切です。主食に穀類を取り入れて、炭水化物と一緒に葉酸を摂取してみましょう。
卵類
卵には、タンパク質だけではなく葉酸も多く含まれます。特に黄身の部分は、100gあたり140㎍と葉酸の含有量が多いです。ただし、黄身は1個あたり15~18gなので、100g摂取するためには卵を5~6個食べなくてはいけません。
卵を食べすぎると飽和脂肪酸の摂取が増えてしまうので、1日1~2個を目安にすることをおすすめします。
葉酸を摂取したいときは、卵とそのほかの食材を組み合わせながら食事を摂ることを心掛けましょう。
海藻類
海藻類のなかでは、のりやわかめに葉酸が多く含まれています。
- 焼きのり:1,900㎍(100gあたり、以下同じ)
- 味つきのり:1,600㎍
- 乾燥わかめ(生):29㎍
焼きのり・味つきのりには葉酸が多く含まれていますが、大きいサイズでも1枚約3gしかありません。通常の食事で100gののりを摂取するのは難しいですが、ご飯のお供として食べたりサラダにかけたりと工夫してみてください。わかめも通常の食事で多くの量を摂取するのは難しいので、サラダやみそ汁に入れて補助的に摂取するようにしましょう。
豆類
きな粉やごま、納豆などの豆類にも、葉酸はたくさん含まれています。特に豆類のなかで100gあたりの葉酸含有量が多い食べ物は、以下のとおりです。
- きな粉:250㎍
- 炒りごま:150㎍
- 納豆:120㎍
- ひよこまめ(ゆで):110㎍
- くるみ(炒り):91㎍
豆類には、カルシウムも多く含まれます。カルシウムは健康的な体づくりのためには欠かせない栄養素のひとつなので、積極的に豆類を食事に取り入れてみましょう。
普段の食事に納豆をプラスしたり、おやつとしてくるみを食べたりすると手軽に葉酸を摂取できるのでおすすめです。
果実類
果物類は、つわりが酷い妊婦さんでも食べやすく、デザートやおやつとして取り入れやすい食べ物です。
果物類にも、葉酸の含有量が多い種類がたくさんあります。
- ドライマンゴー:260㎍(100gあたり、以下同じ)
- ライチ:100µg
- いちご:90㎍
- アボカド、マンゴー:84㎍
- さくらんぼ:38㎍
100g摂取するには、ライチは1個17g程度なので6個、いちごは1粒15gとすると6~7個が必要です。ライチにはビタミンCやミネラルが多く含まれるので、妊娠している人におすすめです。また、いちごには葉酸以外にビタミンCや食物繊維、カリウムなどが多く含まれます。さらに果糖が少なく太りにくいので、たくさん食べてもあんしんです。
乳製品
チーズやヨーグルトなどの乳製品にはカルシウムや乳酸菌以外にも、葉酸が多く含まれます。
- 乳児用調整粉乳:82㎍
- ブルーチーズ:57㎍
- カマンベール:47㎍
- プロセスチーズ:27㎍
- ヨーグルト(無脂肪無糖):16㎍
- 牛乳:5㎍
ブルーチーズやカマンベールといったナチュラルチーズには葉酸が多く含まれていますが、製造過程で加熱されないため、リステリア菌(食中毒の菌)がたくさんついている可能性があります。
妊婦の場合、リステリア菌によって食あたりを引き起こすリスクがあるので、乳製品を食べるときはナチュラルチーズを避けるようにしてください。
し好飲料類
葉酸は、食べ物だけではなく飲み物からも摂取できます。
- せん茶:1,300㎍(浸出液100gあたり、以下同じ)
- 抹茶:1,200㎍
- 玉露:1,000㎍
- ケールをつかった青汁:820㎍
日本の茶葉には葉酸がたくさん含まれていますが、
カフェインの含有量も多いため、妊婦の人は注意してください。妊娠中にカフェインを摂取しすぎると、赤ちゃんが低体重で産まれてきたり将来の健康リスクが高くなったりする可能性があります。青汁は葉酸だけではなくさまざまなビタミンが一度に摂取できるので、通常の食事に取り入れてみましょう。
サプリメント
食事以外から葉酸を摂取するなら、葉酸のサプリメントがおすすめです。
サプリメントを服用すれば、葉酸のはたらきを助けるビタミンやミネラルと一緒にかんたんに摂取できます。
特に妊娠中はつわりが酷く、食事が十分に取れないことがあります。サプリメントを活用しながら、上手に葉酸を摂取しましょう。ただし、ほかのサプリメントや薬を服用している人は、事前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
葉酸が豊富に含まれている食材をつかったレシピ2選
葉酸は水に溶けやすく熱に弱いという特徴があるので、加熱せずにサラダとして食べたりスープに入れて丸ごと食べるのがおすすめです。
この章では、葉酸の含有量が多いほうれん草とブロッコリーをつかったレシピを紹介します。かんたんに作れるレシピを紹介するので、葉酸を摂取したい人は作ってみてください。
ほうれん草と油揚げのみそ汁
ほうれん草と油揚げは相性抜群です。
葉酸が多く含まれるほうれん草をつかったみそ汁のレシピを紹介します。
材料(2人分)
- ほうれん草:1/3束
- だし汁(だし入りのみそをつかうならお湯でよい):400cc
- 油揚げ:1/2枚
- みそ:大さじ1
- お湯(下茹で用):適量
- 塩:小さじ1
最初に、ほうれん草を下茹でします。ほうれん草を下茹ですることで、だしを火にかける時間が短く、風味が飛ぶのを防ぐことが可能です。鍋でお湯を沸かし塩(小さじ1)を加えたら、ほうれん草の根元を20秒茹でます。その後、葉先まで入れてさらに30秒待ちましょう。お湯からほうれん草を取り出したら冷水につけ、熱が取れたら5cm程度の長さに切ります。油揚げは、油抜きをしたら短冊切りをします。
材料の準備ができたら鍋にだしと油揚げを入れて、中火にかけましょう。沸いてきたら、ほうれん草を入れて沸騰させ、みそをいれたら完成です。ほうれん草を下茹でせずにみそ汁に入れると、えぐみや苦味が出て飲みにくくなってしまうので、しっかりと下茹でを行うようにしてください。
野菜たっぷりのポトフ
ポトフは、タンパク質やビタミンなどさまざまな栄養素が摂れる料理です。
材料(4人分)
- ウインナーソーセージ:7本
- キャベツ:1/3個(400g)
- じゃがいも:3個
- 玉ねぎ:1個
- ブロッコリー:1/2個
- 水:4カップ
- コンソメ:2個
キャベツとじゃがいも、玉ねぎ、ブロッコリーをお好みの大きさにカットします。鍋に水とコンソメ、キャベツ、じゃがいも、玉ねぎを入れて火にかけ、煮立ってからさらに15分煮ます。その後、ウインナーとブロッコリーを入れて、さらに5分程度火にかけて完成です。お好みであらびきコショウをかけて食べるのもよいでしょう。
ソーセージには皮がないものもありますが、ポトフには皮つきがおすすめです。皮があることで、肉のうま味を閉じ込められます。また、煮過ぎるとじゃがいもやブロッコリーが煮崩れを起こしてしまうので注意してください。
葉酸が多く含む食べ物を摂って新陳代謝を促進させよう!
今回は、葉酸を多く含む食べ物や、おすすめのレシピなどを紹介しました。葉酸は体の発育に必要な栄養素のひとつで、特に妊娠を計画している人や妊婦の女性は積極的に摂取することをおすすめします。
葉酸が多く含まれる食べ物を取り入れながら、バランスのよい食事を心がけましょう。
そのほかにも、タンパク質や亜鉛が多く含まれる食べ物をつかったレシピを紹介しているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
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